2020年05月28日
【聖堂朝礼】カリタスとともに
先週はひんやりとしたお天気でしたが、今週はまた暖かくなりました。まもなく夏がやってきます。
もう少しで学校が始まります。やっと友達に会えます。しばらくは「みんな」ではないけれど、少しずつ頭と体を慣らしていきましょう。お祈りを積み重ねた皆さんの心は、もう整っていますね。
さて、聖母月である5月も終わりが近づいてきました。まもなくマリア祭。皆さんは霊的花束の準備を整えたことでしょう。「まごころのプレゼント」をお捧げしましょうね。今年のマリア祭は特別です。学校が始まる前に、聖母月の締めくくり=5月30日(土)=にオンラインで行いますが、それぞれのおうちで、同じ映像のもとで、ご一緒にお祈りをしましょう。
そして今日、5月28日は、1年前の出来事を心に留め、みんなで静かにお祈りをしたいと思います。
2019年5月28日朝、川崎市の登戸駅前で、スクールバスを待っていたカリタス小学校の何人もの子どもたちと、見送りに来ていたご家族が、突然刃物で切り付けられて亡くなったり大けがを負ったりした悲しい事件がありました。
救急車が来るまで、現場にいた先生が子どもたちの手当てをしました。中には「先生、私よりあの子の方が大けがをしている」と、自分がつらくても友達を先に助けてほしいという子もいたそうです。
学校では、子どもたちを迎え、守り、慰めた先生方がいました。汚れた服やカバンを洗ってくれる先生がいました。子どもたちも、怖さの中で励まし合ってお迎えを待ちました。
ニュースを見て事件を初めて知った人たちも、それぞれの場所でお祈りをしました。ドミニコでも、教室や聖堂でお祈りをしました。
現場でも学校でもおうちでも、すべての人たちが、病院に運ばれた人たち、怖い思いをした人たちに向けて「あなたが大切です」とメッセージを送り続けました。カリタス小学校の人たちが受けた悲しみを心に留めて、お祈りをしました。
事件の数か月後にカリタス小学校の先生方とお会いすることがありました。校長先生は、「皆さんがお祈りしてくださっていることが、大きな大きな支えになりました」とお話しくださいました。
あれから1年。時間は経ちましたが、カリタス小学校の人たちにとっては「今の悲しみ」です。忘れてしまいたいほどのつらい出来事。特にご家族にとっては、何年、何十年経っても、悲しみがいやされることはないのかもしれません。
そして、この事件は私たちにとっても「昔の出来事」ではありません。あの日から、ドミニコのスクールバス乗り場ではお父さまお母さまが見守り活動を続けてくださって、その後にはガードマンの方がついてくださるようになり、今も続いています。
マリア様は私たちに、カリタスの皆さんとともに「祈りなさい」と伝えてくださっています。もちろん私たちも、忘れずに祈りたいと思います。大切な仲間、大切な家族をなくした方々が今も悲しみのうちにあることを心に留め、また私たちがいつも守られていることを感謝して、毎年5月の終わりには、深い悲しみやつらさを分かち合う祈りを重ねたいと思います。それが、マリア様の願いに応えることにつながることだと思うのです。