13世紀のはじめのころ、南フランスのプルイユという田舎の小高い丘へ抜ける道を一人の托鉢僧が裸足で歩いておりました。その名をドミニコと言いました。
当時、教会は様々な問題を抱え、苦しんでおりました。神はこのドミニコを使って、真理であるキリストの御言葉が宣べ伝えられるよう望まれたのです。ドミニコが聖霊に満たされながら設立した説教者会歴史的に大きな役割を担うことになりました。まさに、神は小さな僕を使って偉大なことをなさったのです。
新しい世紀が開かれようとする時、問題を抱え、世界は混沌としております。第三次産業革命と言われ、「情報・技術」の飛躍的な発展が遂げられる中、命、時間、現実感覚、家族・人間関係・人格、民族、宗教、価値観、環境問題、対話・コミュニケーションをめぐる状況は著しく変わってきています。このような混沌とした時代に生きようとしている私たちにとって、聖ドミニコの信仰に根ざした生き方から多くのことを学び取ることができるのではないかと思っております。ドミニコ会は現代世界にあって、多くの国で神の御言葉を宣べ伝えるために、様々な働きをしています。