2018年11月26日
「高校3年生インタビュー①」石川一郎
今回は高校三年生の二人のインタビューからお話します。
まず、一人目の生徒。
この生徒は、カトリックの学校のみにある、カトリック推薦で大学進学をします。
そのきっかけとなった話を聞いてみました。2つの旅先での出来事です。
1つ目は、家族旅行で行ったニューヨークのグランドゼロ。
この地に立って起きた出来事の話を改めて聞いて愕然としたそうです。
2つ目は、修学旅行で行った沖縄のひめゆりの塔。
事前学習を積み重ねてきて知識はあったものの、改めて同世代の人間がこの地で経験した出来事に大きなショックを受けたということです。
この2つの出来事から、こんな悲しいことが何故起きてしまうのか、どうしたら防ぐことが出来るのか。
このテーマを自分の進路にしようと模索しはじめたと。
そんな時に日頃から聞いているカトリックの教えが頭に浮かんだそうです。
マタイ伝にある
「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。」
という一節です。
という一節です。
そして突き詰めて考えていくうちに、
「宗教が社会にどんな影響を及ぼしているのか」
を研究テーマにしようと考えるにいたり、先生に相談を繰り返す中、本や学問領域を紹介されて前述の進路となったとのことでした。
話を聞いていて率直に「すごいな」と感じました。
こんな思いで大学で学んだら本人の持っている潜在的な可能性がどのくらい発揮されるのだろうと。
そして、この生徒に聖ドミニコ学園の教育がどのように影響しているかを考えてみました。
大きなところでは、カトリックの学校としての校風だろうなと思います。いろいろな局面で宗教に触れることによって人格形成に役に立っているのだと。
もう一つは、地道な行事の取り組みです。
修学旅行の事前、事後学習は話を聞くとものすごく丁寧に行われています。
平和学習は案外難しく、
「戦争は愚かだ、二度と起こしてはならない」
「このような方向に導いた指導者はとんでもない」
といった予定調和になりがちです。
確かにそうなんですが、どうしたら戦争がない世の中をつくることが出来るのか、戦争に対して「反対」を述べる以外にジブンゴトとしてどう向き合うことが出来るのか、を考えてもらいたいと思います。
また戦争はあくまでも「人」が起こしたものであり、単にどちらが良い悪いではなく、立場の違いにより、さまざまな視点があることを忘れてはいけないと感じます。
聖ドミニコ学園の事前事後学習は、様々な視点からこの悲惨な出来事の背景を考える機会を提供しています。
事前事後学習という6文字の中に長い年月で熟成された内容が盛り込まれています。
これが私立の学校の良さなんだと改めて感じました。
素敵なインタビューでした!
続きます