「進路指導ではなく進路」 石川一郎

 
今週末の説明会でK先生が進路についてお話をします。
そのリハーサルをしていて感じたことを書きます。
「進路指導ではなく進路」
この題名が、ある意味すべてを語っています。
一般的なアプローチは、生徒個々の学習の状況をみながら、文系理系どちらにするか、そしてどんな学部・学科に行きたいかの希望を聞きつつ、その中で現状よりよりよきレベルの大学をすすめていきます。
そして、今の学習で足りていない点を指摘して、「あなたのためだから、もっと頑張りなさい」という話で締めくくります。
これは、いわゆる「進路指導」です。
どんな進路の希望かは、その後の就職やイメージが良いものにどうしても引っ張られてしまいます。
何かを主体的に選んでいるようで、回転寿司のように選ばされているケースが多いのです。
では、「進路」ということで、どのように生徒と関わっていけば良いのか。
K先生は、「対話」だと言います。
「あなたは何をしたいの?」
「どのように生きていきたいの?」
こういった「問いかけ」を担任の先生だけでなく、関わる多くの先生が生徒にしているそうです。
最初は、なかなか上手く表現できない生徒も、学校生活で授業や行事、部活といった場面での行動を通じて、先生との「対話」を育みます。
先生たちは、「~した方がいい」といった指導はしないで、生徒たちが本来持っている自分の才能(タレント)と出会うことができるように寄り添っているのです。
これまでのブログでも紹介してきましたが、少人数の女子校ということで、個性が発揮しやすい学校です。
「対話」によって、ありのままの自分と向き合う。もしかすると精神的にもつらいこともあるかもしれません。
でも、人生においてはとても重要なことだと思います。
聖ドミニコ学園は、一人ひとりが素直に自分と向き合える、そんな風が自然と流れている環境であると思います。
K先生によると、卒業生は大学に入ってから、あるいは社会に出てから、とても伸びるようです。
その根本には、自分自身ととことん向き合える学生時代があるのではないかと思いました。
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